以前から、明和電機製品と生物の関係が淡く気になっていました。
「生物」なんて言語枠の幅が広すぎて、徒然にまったくいたらないままだけれど、思ったことなどちょこっとメモ。
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明和電機の作品は道具やマシン。でも、そこには、有機体・生物そのもの、あるいは生物に関係するものがよく現れます。
- 動物として
まず、魚器シリーズのさかな。
ボイスシリーズやエーデルワイスシリーズに現れる「攻撃性」「従順性」象徴としての犬。
社長は、魚や犬が好きなのではなく、むしろお嫌いらしいです。
好きではないものが、作品として洗練され現れているのが不思議です。
不可解…。
- 植物として
エーデルワイスシリーズの花。そしてリンゴ。
こちらは、一般的に理解しやすい(いわばベタな)象徴性が、特殊な超自然的な形で切り取られツール的に利用されています。不可解さは薄いかも。
…社長は、花やリンゴは別にお嫌いでないはずです。
- 器官
社長は動物・ヒトの身体のシステム・器官にも興味を深く持っていらっしゃるようです。
製品では、ええと、《金魚のフン》! 消化器官。
ヒトの器官に直接憑りつくような、エーデルワイスのウェアラブルガジェットたち。
そして、声。肺・声帯・フォルマント。Voice Project の展開。呪術性をまとう器官。
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明和電機の製品。
作家自身のなかにある不可解さが底にあるナンセンスマシンだと位置づけ、語られます。
(こんな文にするとはしょりすぎで正確でないので、社長インタビューなどを参考のこと)
https://courrier.jp/news/archives/43962/
自己の深くにある不可解さ。
不可解さの逆:「理解可能である」、を導く、理性の役割と範囲。その由来を想起すれば。
脳の表層では理解できない、混沌から現れる生物的な深層に、部分的かもしれませんが関係しているように思います。不可解って。
ええと、ヒトの脳について詳しいわけではまったくなく、なんとなくの独断ですが。
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生物の悪夢的なまなましさ、リアルさ。
身体と器官。
そして機械。
自動生成と制御。
もっと想像をめぐらせることができるかも…。 ここらあたり、明和電機(について思いをめぐらすこと)はホントに飽きないです(笑)。
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以前、《オタクギョタク》の魚たちを、系統的に分類したり、傾向を調べたり、したいなと思っていたことがありました。
http://d.hatena.ne.jp/Fumiba_m/20120429/1335649126
(社長も系統分類を試みたことがおありだそうです。『魚コードができるまで』より。
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生物の系統分類は、以前は主に形態(外見)をもとに行われていました。
現在は、DNA解析による分類がメインになりつつあるようです(分子系統学)。
キノコや微小藻類やサンゴや、ある種の昆虫などには。形態/見た目での分類は不可能なのに。明らかに種が異なる場合があるそうです。遺伝子解析上も遠く離れていて。
逆に、形態が明らかに遠く違っていても、同じ種であると判定されるものたちがいたり…。
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DNA解析には「次世代シーケンサー」という装置が使われているそうです。
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明和製品の「遺伝子」は…どういう手法で解析することができるのかしら?