10番目の感傷

日曜日、ICCのオープンスペースへ行ってきました。
二人で行くのも楽しいけれど。独りで行くと、堪能できますねー。
特筆すべきだったのは。
 
クワクボリョウタさんの作品
「10番目の感傷(点・線・面)」
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2010/Openspace2010/Works/thetenthsentiment_j.html
 
クワクボさんの作品。片手で数えるくらいしかまだ見たことがないのですが、作品ごとに傾向や印象が全く違うのに驚きます。
明和電機」ビットマンなどは、ビビッドでデザインに力強さもあって、とても「男子」らしい〜と印象を持ちました。
思考のプロセスを見せるような作品には、理系男子らしく難解(@@)と思ってしまいました。
 
今回の作品は。テーマと仕掛けはシンプルながら、細部にわたるまで丁寧に考慮され、観る人の意表をついて興味を逸らさせず、ロマンティックでドリーミーで繊細で美しいのです。女性も好きになる人が多いでしょう。
 
レール上を移動する点光源が壁に照らし出す影とその変化が、車窓から見る光景そのもののよう。淡いモノトーンのシルエットの変化を追って、見飽きることがありません。
 
少しずつ見る位置を変えながら、1時間でもそれ以上でもこの暗い部屋に居られそう。
観客はみな一様に座り込み、静かな空間のなかで息を潜め、見入っていました。
学生と思われる二人連れの若者が多く、点光源を載せた模型車両が見所を通過する度に
「これ、すごくいいね。」
「ふぉー。」
「すごい。」
「・・・ザルっ」(<− 観た人には解る。)
などと、小声でささやき合っていました。
 
評判が、口コミで広がりつつあるようです。
 
この作品を紹介しているヲノ先生のブログ記事が、分かりやすくて素晴らしい。これを読んで見に行きたくなったのだな―、自分。
 
先月の“料理教室中継 from アトリ工”で、クワクボさんが、これまでの作品のなかで一番経費がかかっていません、というようなことをおっしゃっていました。
 
お金をかけないでも、発想次第で人を感動させるモノをつくることができるんですね(*^^*)。