【instruments】

明和電機社長ツイートログ仕分け・抽出・並び替えの検討作業。第三弾。
基本的に、今年11月16日までのツイートで構成しています。
テーマに沿って、過去ツイートが網羅されているわけではありません。
(ざくっと作業しているし。読んだ時の滑らかさを重視で、採用していない素敵ツイートもたくさんあります。)
 
instruments

 私が、いかに楽器に没頭していたか・・・・
 
 ピアニストはピアノだけで物語が作れるのですね。
 
 久しぶりにフォークギター弾いた。オタマトーンの音量のレンジのなさに慣れてたので、ピアニッシモ が出せるのに驚いた。普通の楽器てすごい。
 
 ロックってシンバルが大活躍だな。
 トルコのシンバルメーカーのジルジャンは、古くは戦争で兵士のアドレナリンをあげるために鳴らしてたシンバルを作ってた。通じるものがあるか。ロックと。
 
 ベートーベンは自動機械オーケストラの曲を書いたり、メトロノームを最初に取り入れるなど、かなりの「メカおたく」だった。1800年代に初音ミクが生まれていたら、彼女のための「アリア」を書いただろう。
 音楽機械エンジニア&興行師、メルツェルと、大作曲家・ベートーベンの、1800年産業革命のウィーンを舞台にしたSFドラマ。見たい!だれが映画「プレステージ」みたいに映像化してくれないかな。
 
 プログレといえば、ティンパニーだ。僕はな。
 
 打楽器とコンピューターミュージックは、どちらも「ON」か「OFF」かで音楽を作る点が似ている。
 
 秋葉の楽器店に。楽器をいじりに行ったのに、ボタンをシコタマいじらされた。それって楽器か?音楽か?
 愛情のない「つまみ」が多いのは、最近の「デジタル楽器」と「和民」
 
 波形ソフトで曲を作っていると、現代の作曲家は多分にグラフィカルな情報処理能力が必要なんだろうなーと思う。
 
 ウシガエルってあんな小さな体で低音を出せるんだよなーすげー。
 セミって爆音を出すけど、同じことを人間がやると、たぶん脳が破壊されるとおもう。自分の出す音の衝撃で。
 
 むかし黒船の蒸気の汽笛を始めて聞いた日本人は、その異様な響きにビビりまくったそうである。スピルバーグ宇宙戦争の宇宙人が発する重低音とかぶる。
 
 サンプラも波形編集ソフトもない時代に、「ゴジラの鳴き声」は作れた。アナログの可能性は深い。
 
 ピアノをぶっ壊して感じたのは、つくづく鋼鉄の楽器だということだ。
 ピアノは鍵盤からハンマーまでは、木材とフェルトによる柔構造の、それはそれはやさしくコシのあるしくみ。ところがその先の鋼の針金とその強力なテンションを支える巨大な鋳物いったらもう。
 ヤマハのピアノ工場の生産ラインの最後に、耐久性テストのため88鍵盤を高速でいっきに連発打撃する、すさまじい機械がある。あの音楽はどんなジャンルにも属さない。
 鋼鉄をハンマーでなぐる楽器。
 
 エレキギターがすごいのは、ぶん回しても、車でガタゴト運んでも、ちゃんと音が出ること。そこがクラッシックギターとの決定的な違いで、プレイヤーの演奏スタイルを変えた。
 
 ボイパがおもしろいのは、それまで全身運動じゃないと出せないと思ってた打楽器音を、首から上の言語運動だけで出したこと。運動的には信号伝達および重力からの解放のぶん、ボイパの方が確実にONビート。
 新しい楽器はもう生まれないということはなく、ヒューマンビートボックスのように、パラダイムが変わった世界で、じゃあ何の音を出すかという問いを、メカニックにまで落とし込めば、いくらでも新しい楽器は作れる。
 
 マスメディアが登場しなかったら、ピアノという楽器はまだまだ変化していっただろう。メディアがピアノ像を固定してしまった。
 古楽器博物館にいってごらん。"ピアノのようなもの"とか"ギターのようなもの"が、まるでホルマリン漬けの奇形のようにわんさか展示されてるから。あっちが本来の姿なんだよ。
 
 本日わかったこと。「楽器とは重心だ!」。重心は音楽のジャンルさえ決定する。パンクのギターは低く、カントリーのそれは高い。
 素朴な女を究極のレディに仕上げる願望が屈折して無機物に向かった偏執狂のことを、「楽器職人」と言う。
 楽器演奏家とは、楽器職人から完成途中のレディを奪い、欠点を長所に見せる方法を編み出し大衆の面前に晒す調教師のことである。
 和声とタクトによって統制された無機物との乱交パーティーを、「オーケストラ」という。大人の時間ですね。
 
 僕は筑波大学ジャズ愛好会の出身だが、まさかパットメセニーがライバルになるとは思わなかった。
 
 楽器が音楽を作る以上、楽器のコンディションの不安定も、音楽の重要な要素。そう。ぼっくらはみんな、不安定いいー。

 楽器の音でいうと、ある程度のストレスがないと魅力的な音にならないのでは。極論を言えば、ストレスを持続するシステムが必要なのでは。
 
 あと、壊れる寸前の楽器って、なんであんなにいい音が出るんだろう。
 
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 僕が作る歌う機械は、僕が手をかけてチューニングしないと歌わない手のかかる彼女だ。ミクと違って、僕が死んだら沈黙し続けるだろう。