エスキースするかみさま 3

現代人は、「いかに生きるべきか」「世界とは」というような、論理的思考を超越せざるえない悩みから、宗教的なものへ興味を持つ人が多いのではないかと思うのですが。
明和電機社長の場合、そういう「ケチな了見」?から宗教を見ているのではどうやら全然なさそうです。
 
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子供のころ、宗教について割と興味がありました。
実家の本家が浄土宗の山寺。お堂、読経、木魚、お坊さん等々、日本仏教的なものへ身近に触れていました。(浄土宗のお堂や調度や袈裟は、キンキラで派手です。声明も荘重。)
そして、神社と神社の杜が好きでした。宮崎の神社は、謂われがごく旧いものが多いのです。
さらに、小学生のころの一時期、プロテスタント系の日曜学校へ通い、比較的熱心に聖句や祈りの言葉を暗記していました。(父は娘が宗教に興味を持つことを好ましいと思っていたようだし、母はおもしろがっていました。) 自分に信仰心が存在しないことを認識し、信仰の場からそそくさと足も心も離したのは中学生になってからです。
 
現在は、近代西洋哲学にあわく興味があり。「神の存在証明」についてなどのテキストを、難解さにうなりながら手にしたりしていますし。最近は「仏教入門」的な本を読んでいます。
 
で、気づいたのですが。
・・・つまり当方は、宗教に関する興味も「アンティーク好き」のようです。
 
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社長は「信仰を持つ」観点から宗教に対して興味があるわけではなさそうです。
端的に言うと、「一神教的な人格神になって世界をつくる」ことへの興味?
 
ミニアルバム「サバオでサンバ!」にはいっている「神様のエスキース」の世界はそのまんまで。なんだかかわいらしくもあるのだけれど。
 
魚器の「肺魚」。
『神様の視点に立つためのシミュレーター』と説明されています。
世界創造の神をネタにしている、と触れた時点で。鑑賞者の多くは、作家とのコミュニケーション断絶と、間の闇と真空を感じてしまうのではないかな・・・。
 
ある意味、社長の視点は、近代以降の自我/世界の認識構造を超越してらっしゃる様。
 
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鉛筆スケッチ。貝殻等、海の無脊椎動物の殻の構造ておもしろい。