岩が自由落下し時を告げる時計

一昨日の放送「#エンダン」で、明和電機20周年記念グッズのアイデアが募集され。
あまた応募されたなかから明和電機社長が選ばれたのが【岩時計】でした。
「大きめの石を一つガラス筒の中に入れて、"1秒”を計って、落ちた時に岩が落ちたような鈍い音が鳴る。」時計だそうです。
社長が描かれたスケッチがこちら〜。
https://twitter.com/nottv_endan/status/258939002520997889/photo/1/large
 
提案者と選んだ社長のセンスへ一票!
 
*「岩時計」実現に向けた検討
社長の図では300mの高さになっていますが、初速度ゼロのとき自由落下距離は、 (1/2)*g*(t^2) なので。
(g:重力加速度、t:落下時間)
1秒後に落下させるには4.9m ほどの高さから落とせばよいことになります。
もし300mの高さから落下させると、地上に達するまで約7.8秒の時間がかかることに。それはそれでおもしろい時計になりそうではありますが。
 
 高さ5m強の装置、ということは、天井の高い美術館なら展示できそうです。
 落下した石を、再度もとの場所まで持ち上げる装置が必要でしょうね。滑車でつるしてガラス管内を引き上げるのがコンパクトでしょうか(要検討)。
 0.1秒ごとに石の通過を感知するセンサーを該当位置に設置し。センサーに対応したデジタル表示部があると、時計であることを明解に示せるような気がします。
 落下時の音は、実際の石の落下時の衝撃音を拾って趣深く加工し、複数のスピーカーから響かせるとおしゃれかも。
 近くでは、岩時計稼働の一秒間をスローモーション再生する映像を放映展示したいですねー。
 
・・・現代美術っぽい?企画を想像するって、意外と楽しいのかも。と、ふと思いました。
 
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高校の物理の教科書に、一定の力がかかった初速度ゼロの物体の移動距離は、(1/2)*a*(t^2) (a:加速度) という公式がありました。
高校生だったわたくしは、素直にそれを覚えました。
 
ところが、です。
高校を卒業し理系の職場に入ったならば、同期の人の大半は、
 一定の加速度(力)がかかる場合の速度は、加速度×時間 だから。
 移動距離は、その式を時間ゼロからtまで積分して、(1/2)*a*(t^2) になるよー。
という考え方を、高卒にして完全にマスターしていました。
 
河*塾など都会の大手の塾では、当時からそう教えていたとのこと。
 ニュートン力学をはじめとする世界で起きる多くの現象は、微分積分で記述できる。
という、その後、学習を続けるなら真っ先に自明になるこの事実の把握に、当時のわたしは大きく出遅れていました。
 
すこし恨み節も混じってしまうのですが。
少なくとも積分微分と物理のつながりは、高校までの教育で平明に示されるべきだと思います。理科と数学の授業で連動させさえすれば基礎知識で理解できることなのですから。
 
世界が理解できる、世界を理解する鍵と言葉を手に入れる、と思えば、理系的な知識を学ぶことはもっともっと楽しくなると思うのです。
(授業や研修の間、居眠りばかりしていた若かりしころの自分よー。)