進化の道筋のねじれ方

こちらの本、読み終わりました。
 
「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅」
ニール・シュービン、訳:垂水雄二、ハヤカワノンフィクション文庫

 
化石研究とDNA研究から解き明かせれる生物進化。
浅瀬に棲み陸上進出を目指してノドと肩と腕(手)をもった魚、の化石発見の話からはじまって。話題は広がっていきます。
 
 上下の歯が(WAHHA GOGO くんのように)正確に咬合するのは、哺乳類だけ。
 
 耳の中耳にある音を聴きとるための小さな3つの骨は、魚の顎を支える骨などを代用し進化してきた。
 
 わたしたちのセンサーは、地上の重力の影響下で働くよう微妙に統制されている。
 
 哺乳類のしゃっくりは、オタマジャクシ(のような生物)がたどった進化による呼吸プロセスのせい。
 
化石研究とDNA研究をつき合わせると。
わたしたちの身体は、その形、機能にもっとも合理的であるようあらかじめ設計されたわけでも、寄せ集められた部品で作られているわけでもない。また、目的に向かいまっすぐ進化したのでもない。
 
進化していく過程で、連綿と少しずつやりくりしてきた結果として、そうなっている。
 
研究が進むにつれ明白になっていく証拠。
 
おもしろいなー。
わたしのなかに居る、魚。
 
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当時、科学ニュースを読んで知って。ほぅ、とだけ思いそのまま遠ざかっていった知識が。
何年か後に、このように筆の立つ専門家により経過が整理され書き起こされ、非常に分かりやすくおもしろく解説され。
素人にも「そうか、そういうことだったんだー」と腑に落ちていく。
 
うれしいですね。
 
科学の進展は本質的な楽天主義の賜物。この表現に納得しました。
 
(その使用に関し楽天的なばかりではいけないと思うけれど。)