金沢への旅(気象編)

子供のころ、お正月に家族旅行で金沢へ行ったことがありました。たしか1976年。
ずいぶん暖冬の年で。周囲の山にもほとんど積雪がありませんでした。
 
 雪の積もった兼六園を見たくて、父はわざわざお正月の金沢を旅先として選んだのじゃないかしら。残念だっただろうな。
ふと思い当りました。
 
日本庭園とか見るの、好きな人だったのだと思います。父。
田舎地方都市住まいなので、その機会はごく限られていたけれど…。
 
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さて、ナンセンスマシーンズ展にかこつけて、40年ぶりの金沢旅行になりました。
 
 雪の兼六園を一緒に歩きませんか?
 
そう言って、夫も誘いました。宿や交通の手配もみな夫にお願いしました。
 
ところが、です。
到着して明和電機ライブのあった1月25日は、日本海を低気圧が発達しながら東進。フェーン現象で気温が上がり、春のような陽気。街中だけでなく庭園にもほとんど雪は残っていなかったのでした。
 
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ここで、気象庁の公式サイトで「気象統計情報」を見てみませう。(何のコーナーだ)
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
 
金沢では、1880年代からの公式な地上気象観測データが残っているようです。流石、歴史がありますね。
1976年1月の初旬。日最高気温が軒並み10度を超えるなど、あたたかです。家族旅行で訪れたのはこの年にまちがいなさそう。
 
さて今年2014年1月25日のデータは…。
日最高気温15.1℃。日最低気温10.9℃。
23日までは積雪があったようですが、融けちゃったんですね。
この日の日最低気温の平年値は0.3℃ですから、10℃以上高かったことになります。
気象庁が現在用いている「平年値」は1981-2010年の30年間の観測値の平均。10年ごとに更新されます。)
観測史上一位のデータは。1月の日最低気温としては1960年の12.8℃が最高です。それには及びませんでしたが、第2位の記録ではないですか!
(* データに当方の勘違いによる間違があり、記述を訂正いたしました。29日午前 *)
 
これはかなり異常な気象だったと言っていいと判断されます。
(参考:気象庁の用語集に、『異常気象』の説明として「その地点、季節として出現度数が小さく平常的には現れない現象または状態。統計的には30年に1回以下の出現率の現象することが多い」とあります。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/saigai.html#N3
 
ええと。
さすが、明和電機社長効果ですね!
 
翌日は寒冷前線が通過してまっすぐに気温低下。
昼過ぎに羽田行の飛行機が離陸する頃は、白いものがしきりに舞っていました…。
 
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あこがれの雪はなかったけれど。
金沢城から兼六園を薄着でゆるゆるさくさく歩き回ることができ。伝統産業工芸館もしっかり見て。
近江町市場やうわさの金沢駅でおいしい海産物メインの食事をいただき。
宿で、当方はおいしい地酒を、夫は和菓子をいただいて、ほくほく。
街歩き。金沢って立派な街だなぁと感動しました。
この街に由来がある知人の幾人かとも会えましたよ(みな年下の美人さん)。
 
 一泊で行って帰ってくるだけでー。観光の半分以上を明和電機展に当ててー。兼六園に雪がないなんてー。
夫は行く前からしきりにぼやいていましたが。最終的に、とても楽しい旅行になったようです、彼にとっても。
 
またいつか訪ねましょう、金沢。ありがとう、金沢。