プライベート・ユートピア/ハギの祭典 Vol.2

29日水曜日、こちらへ行ってきました。
プライベート・ユートピア ここだけの場所 ─ ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在
http://www.britishcouncil.jp/private-utopia
 
これまであまり興味なかった、ほぼまったく無知である方面の、<メディア・アート(寄り)でなく、日本のものでもない、現代アート> に触れてみる?
東京ステーションギャラリーだし。
・・・そんな感じで寄ったのでした。
(滞在時間が短かったため、長い映像作品は部分的にしか見ていません。)
 
英国だから。高度にクリティカルだったりアイロニーが効いている作品が多いのかな?と想像。
それが明瞭に見える作品もあるのですが、全体としてはその傾向が著しく強いわけでもありませんでした。
 
展覧会能書きにある
『制度に支配された時代や、物質が溢れ返る時代を経て、今われわれは「私」(private)の時代を生きています。』からはじまる文は。断言されるととてもそのとおりだとは思えず…。
でも、全体として、島国らしい狭い閉鎖性?・・・それは日本と共通する?・・・雰囲気があり、作品も小型(小規模)のものがほとんどで、『プライベート・ユートピア ここだけの場所』というタイトルが妙にしっくりマッチしていると感じられました。
 
現代美術なんて何でもアリ。そんな思い込みがあったのですが。
手法に既視感を多く感じたのが意外。
(当方、全然知識なく、脳内にアーカイブされている作品なんてほんのわずかなのに。)
 
バラエティあり。ふふっと笑える作品も。
見甲斐のある絵画作品・平面構成もあります。
 
一番好きだったのは、この方の作品。(結局、動物写真に魅かれ、もっていかれてしまうおばさんです;
http://www.britishcouncil.jp/private-utopia/artist-profiles/adam-chodzko
http://visualarts.britishcouncil.org/artist/artist/30783/19094
 
この展覧会、ツイッターアカウントからの情報発信も充実しているようです。
@jpBritishArts
 
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その夜は、こちらへ。
「ハギの祭典 Vol.2」@新世界
出演:小よみちぇん、Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ・オーケストラ)、萩原佳明 ゲスト:稲村はる(ダンス)
http://shinsekai9.jp/2014/01/29/hagi2/
 
当方、明和電機会長:土佐正道氏の<電気屋でない>ライブを経験したことがまだなく。それが目的でチケットを入手したのですが。
3組とも、そして全体として、とてもおもしろかったのです!
 
小よみちぇん。
バンド漫才。「時そば」「お菊の皿」。
三方ともテクニックがあるし。随所の工夫が効果的に成功していて、完成度高く、これは万人が楽しめると思いました。
 
Y&M☆O(ヤスコーン&マサビッチ・オーケストラ)
想像以上に幅の広い演目でした…!
正道さんが白いプラバンで制作された木魚(ではないけれど)をたたく小型ロボット http://youtu.be/Vofv1FvPblA
が登場。それに合わせて明和電機のあの名曲の演奏が。
ヤスコーンさんのiKeromin(スイッチとスライドにより演奏するボカロ?)iPadアプリと、正道氏のオタマトーン演奏による「犬神家の一族」のテーマ曲演奏。なんだかありえない有難さでしたよ、クルクル。
ほか、ほんわかラップ渋谷系風「大釈迦筋肉少女帯)」や、鍵盤ハーモニカによる「サンダーバードのテーマ」など。
http://youtu.be/gMRPjpyTTo4
(会長は長引いたインフルエンザからの病み上がりだったそうです(まだ体調はまったくあがられていなかったのかも;)。 おつかれさまです。)
 
萩原佳明氏
この方、深夜のタモリさんの番組で拝見したことありました。楽しみでした。
ステージで一言も発さず。全てノートPC(Windows8)のメモ帳に大きなフォントで書き込み、それをスクリーン投影してMC。画期的ー。ユーモアも漂います。
駅の音楽。天気の音楽。センター試験解答の音楽。ブロック崩しの音楽。10台のメトロノーム
<現象>から<音楽>へ。
すばやいソフト切り替え。プログラムコードをちらりと見せてくれたり。パフォーマンスもおもしろい…。
 
最後の、地震の音楽に、しんとした心持になりました。
 
そして、余計なことに。自分だったら、地震の種類で音色を、震源の深さで音程を、マグニチュードで音量を変えるプログラムにしたいな。なんて考えました。
そんな空想をとりとめなくしてしまうほど。シンプルに興味持ってひきこまれたのでした。
(氏の作品の多くは、Youtubeにアップされているようです。ただ、当人のパフォーマンスを通して体験したほうが高度におもしろいと思います。)
 
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帰りの電車のなかで気づきました。
 
「ブリティッシュ・カウンシル・コレクション展」と。ライブ「ハギの祭典」。
意外なことに、なんだか体験の質がとても似ていたのです。
(ライブである分、楽しさという点で「ハギの祭典」に軍配があがるのですけれどね♪)
 
 どちらもそれぞれにネタがあり。「気づき」の体験をしている。
 『視点の転換で、すぐそばにありながら知り得なかった世界へ』
 
 どちらも日常から少し離れ。
 どちらも日常からほど近い。
 『日常からの応用』
 
 どちらも全体としてバリエーション豊か。
 
いっぱい遊んでもらった子猫のように、得した気分になった一日でした。