三次元の構造を二次元に

絵は立体が投影された「影」。
二次元で3Dの仕組みを認識するには、対象をいろんな方向からぐるぐる見回す「動画」が必要となります。
いずれにせよ、それが立体だと認識できるのは、「錯覚」する能力ですが・・・。
 
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ごくたまに、職場で簡単なイラスト作成を頼まれます。
どの程度『なんちゃって』な図でいいか、まず依頼者に確認するようにしています。
素人にとって、三次元の構造を二次元におとす「投影法」は致死的。求められる質によっては、自分には無理です、と断ることも。
なんとなくできたつもりでも、ダメ出しの嵐で採用されないことも;

基本オブジェクトを超簡単に配置できるフリーの3D描画ソフトで描かせた図を参考にするのも安易ですね。時々使う手です。少なくとも「ある条件下での計算上の辻褄は合っているはず」と言い張れます。
上は「Google SketchUp」で作成した図。

 
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明和電機代表取締役社長:土佐信道さんの公開スケッチ&ドローイング(社長設計室)。
あの線を引くスピード。動作も表情も姿勢もきわめて静謐。最低限の補助線。
不思議だったのは、全然、反故紙を出されませんでした・・・。
 
頭のなかで構造のある仕組みをビジュアルに立体としてイメージ。視点を定めてそれを見つめ、外世界の二次元:紙面へ手で描き落としていく。速いはやいスピードで早くはやく。
あるいは、二次元表現のため手を動かすのと並行して、頭のなかで立体イメージや構造をつくりあげていく。
しかもその根底は、「情念」から引っ張りあげているらしい。
 
訓練と「芸歴」と才能の賜物なのでしょうけれどっ。
社長の専売特許というわけでもないのだけれどっ。
― すみません。あこがれます。