料理考

すこし前まで、ヒトは各々、生活上の必要にせまられてせっせと「ものつくり」にいそしんでいたはず。
でも、いまはー。
ものつくりをしないとなると、全くしなくてもなんとかなる現代人。
 
わたしも。
育まず。
切らず。建てず。
紡がず。織らず。縫わず。
 
自分が恒常的に携わっている「つくる」作業は、料理くらいです。
 
松蔭浩之料理ショー」で、ばばかよさんが、
「料理は、がんばった分だけ成果が見える。人が喜んでくれる。それに反し、自分の仕事は成果が見えにくい。この今までの仕事へのがんばりを、もし料理に向けていたら・・・。」
というようなことをおっしゃっていました。
 
おー、なるほどー。
わたしは、料理は つくるより食べるほうがずっと好きですが、それでも、たしかに身をもって、料理という「つくる」活動が、プラスの成果にすぐに結び付くことを理解できます。
 
結婚し、東京で「正」のつく身分で働いているとき、平日はいっさい料理しませんでした。
夫は、日付変更線を越えて帰ってくることが多かったですし。
けして仕事人間ではなかったわたしでも、家に帰りつくのは10時や11時。料理をつくる元気はなく、毎日のようにコンビニ弁当。
満員電車のなかで吐き気に悩まされるから、朝食は抜き。
 
T市に引っ越し、初めて、平日も夕食をつくるようになりました。
朝ごはんは夫がつくってくれます。土日には、グラタンなど凝ったものをつくってくれることも。
 
明らかに、二人とも身体の調子が良くなりました。夫婦間のコミュニケーションにも役立っていると思います。(料理をつくってくれるヒトに、あまりきついことは言えません。)
 
唯一の恒常的ものつくり。料理。
・・・とりあえず、その時間を大切にしよう。
 
と、松蔭さんの慣れた手つきを拝見しながら、蘊蓄に耳を傾けながら、思ったことでした。
DO THE RIGHT THING.