「陰影礼賛」

昨日、科学未来館へ行く前に、新国立美術館の企画展「陰影礼賛」を観てきました。
オイラー美術館展の開催期間中、えらいことになっていた当美術館でしたが、昨日は、美術館らしいほどよい人影のまばらさで落ち着けました。
 
この企画展、国立の5つの美術館が所有している作品からテーマに沿ったものを選び展示する、というある意味画期的な催しです。
 
「テーマ」が素敵。
そして、もちろん、作品が素晴らしい。質が高く鑑賞しがいのあるものが並んでいます。
4つに分けられた展示の分類も、テーマに沿っていてごく妥当なものだと思いました。
 
ただ気になることが3点ほど

影(陰)は、(1)物体の素材、形状、表面の性質、(2)環境、(3)光源の数・位置・照度・向き・性質 等によって現れる光学現象。
分類は、あいまいなままでよいと思うのです。
「影」と「陰」の定義をしようとしていて、それが中途半端にならざるをえないのが気になりました。

作品のなかに、明らかに「影(陰)」ではなく、「鏡像」がテーマのものがいくつかありました。写りこんだ像は、影とは光学的に全く違うもの。含めて欲しくなかった、というか、「鏡像」をテーマに、また企画展をしてください;

現代美術の造形の分野が薄かったです。(<− 最近のわたしの興味がここへ拡がってきているので;)
 
また、本質ではありませんが。展示をめぐるテキストなどに考慮の余地が多かったのでは。
「影」の専門家はたくさんいると思うのです。物理学者、カメラマン、映像作家、3Dモデリング屋さん、3Dソフト開発会社、哲学者、文学者・・・・。せっかくよいテーマなので、そういう多分野に取材をして、企画を支える思想部分をもっと底支えすべきだったのではと感じました。
がんばれ学芸員さん。(<−なぜか上から目線)
 
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社長がチャリ楽器関連で触れられた、デュシャンの車輪を見ることができました。
 
んー。
帰ってから、Googleの3Dギャラリーを捜したら、素敵な車輪3Dデータがありました。
お持ち帰りして、SketchUpで表示・フォトショで安易加工。