松蔭浩之 展 「KAGE」

アトリ工での電協イベントで、松蔭さんのつくられたチゲをごちそうになったときに伺ってから。
この企画展へは行かねばと思っていました。
土曜日の午後、行ってきました。
http://mizuma-art.co.jp/exhibition/1281608555.php
 
わたしは、時代を肌で感じる能力に著しく欠けていると思うのですが。
この企画展へ行く前に。そして現場で。そして見終わってから。
いろんな想念が頭を行き来しました。
 
80年代。「近未来」は、新鮮に耳に響くひとつのキーワードでした。
サイバーパンクSFの世界観。
それから、Jポップも。当時好きだった、パール兄弟、Shi-Shone は、アルバムのテーマに、「近未来」そのものを取り上げていました・・・。
今の時代は、あの頃の「近未来」の入口はいったあたりなんですね、まさしく。
 
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「KAGE」展。
奥の、和室、つまり映像の部屋は、しっくりきました。
わたしは、普段はもっぱら静止画像派なので、意外でした。
煙を吐き続け、ある瞬間から逆再生される煙突の動画も。ろうそくの炎の映像も。
歩く先々に待っている「穴」の寓話も。
おっぱいの華麗シンクロナイドスイミング?も。
見ながらすとんと心に落ちついていきました。
 
写真と「影」と書かれた巨大な凧がある部屋では落ち着きませんでした。
ミシマとの距離感のせい?
素人眼にも、凝った企画・撮影を想像させる美しいプリントが眼をひきます。
底・・・床すれすれにゆるく回転する電球。
わたしはこういうものに対して不感症なのかしら?
 
欠如の多い自らを手さぐりしながら、でも、その場の影の本質は、多分ありありと感じたのです。
 
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現在が近未来だった位置を回想する。
太陽はどこにあり、何を照らしていたのだろう。
 
多分、本題からは逸れている。でも、いまも考えています。
回想するときの視点の据え方には、流体力学的にいえば、オイラー的な方法と、ラグランジェ的な方法があって。
光はどこにあり、わたしには一体、何が影に見えるのだろう・・・今。