マシンとして成り立つために

このスケッチ集では、開発スケッチが以下の4つの時代に分類されています。
 
第1期 イメージ拡張のためのスケッチ期
第2期 イメージ選定のためのスケッチ期
第3期 イメージ決定のためのスケッチ期
第4期 構造計算のためのスケッチ期
 
イメージ拡張・選定の時代のスケッチ。
これらを見ている側も空想が拡がっていきます。
 
イメージ決定と構造計算のためのスケッチ。
これらの感覚が不思議。すごいなー、と思うのです。
 
漫然とイメージを組み合わせるだけでは、動く機械はできません。
特に、歯車で回転運動を伝え、カムで微妙な運動を複数同時に制御する機構なんて。構造的によほど高度に緻密に設計しないと。
正確な計算の基、厳密に部品の形を決定し組み合わせていかなくてはいけないはずです。
 
それを、「シンプルなモデル」のスケッチを描くことで実現するための「混乱」を治め。
問題解決のための駆動モデルシミュレーションを、紙面上で行っているわけだから。
 
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WAHHA GOGO が動く様子は、渋谷西武画廊「社長設計室」などで至近距離から拝見したことがあります。
 
頭部の後ろ側に回ると、フォルマントと空気弁の調節を同時に行っている、ゆらゆら緩やかな波型が刻まれた不思議な形状の大きなABS樹脂製カムが、ゆっくり回っている様子がよく見えて。
そこが気になって、しばらく見ていました。
 

WAHHA GOGO 頭部側面を、なんちゃってトレース。仕組みの理解がすすむって、楽しい。
 
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このスケッチ集をよんだあとは。
WAHHA GOGO 制作プロセスを撮影した写真がスライドショーになっている、この動画が貴重すぎ、繰り返し見てしまったのでした。
The Making of WAHHA GO GO
http://youtu.be/wcMQ4Tbfoko