ビジュアル・サーカス/アーティスト・トーク

昨日は、SKIPシティ彩の国Visual Plaza の映像ミュージアムで行われている企画展「ビジュアル・サーカス」のトークイベントを聴きにいきました。
川口駅からバスに乗り、10分強。「総合高校」バス停で降りて、歩いて数分。
 
ビジュアル・サーカス出展アーティスト3組:AR三兄弟 / off-Nibroll / 明和電機 によるトークショー
ビジュアル・サーカス企画の位置づけは「映像と身体表現であるパフォーマンス。本企画展では、一見相反する2つの事柄が、様々なかたちで融合している、3組のアーティストの作品を紹介」となっています(ホームページより)。
どんな話が聴けるのかなー。楽しみにしていました。
 
off-Nibroll さんの活動。2004年から。コンテンポラリーダンスと映像のコラボレーション。
海外での様々なアーティストとコラボレーションされているそうです。
身体表現と映像。人間的と人工的。相反する表現分野。
明和電機社長の質問に対する回答として説明された、作品制作のプロセスが興味深かったです。
 二人でテーマとなるキーワード「言葉」を決め、それに沿った作品をそれぞれが解釈しつくる。
 不協和音の部分もあえて残し、情報を整理しない。
 最後の段階で合わせる。技術的な合わせはするけれど、同時多発的にやってしまう。
それで成り立つ。というのが驚異です。
 
UST配信で見たオープニング・イベントで、一番謎で「この人たち解りにくい」と思ったのがAR三兄弟でした。
AR。Argumented Reality。訳して、拡張現実。
 日常はフラットだけれど、過ぎていくもののなかで立ち上がってくるものに眼をこらす。
 何かを拡張することで、狭く見えたり広く・見えたり。何かを根拠に、見せたり・見せなかったりする。
大層幅広い分野での、多くの活動。音楽の拡張、物語を拡張、アニメ映像を拡張、ファッションショーを拡張、科学技術を拡張、冠婚葬祭を拡張・・・。
大変なプロデュース力。
なぜか三兄弟。で、顔出しして。今回はおそろいのパジャマで。
見せ方がきっちりと超緩い。究極的なドットの粗さ。
このイベントでは長男の方が司会をされたのですが。
実際に拝見しないと感じられない類の頭の良さダダもれな方で。
常に一歩先、というか、常人にはまだ得体を掴めないところを目指されているのかな・・・。
ご兄弟他のお二人があまりお話しされないから、なんだか神秘的。(神秘的というのとは違うかもしれませんw)
印象的だったのは、19世紀たとえ話。19世紀だったら。明和電機はからくり師。off-Nibrollさんはマジックショー。
それをうけて、長男の方が、AR三兄弟は映画館の箱つくり。(作家としてつくることもするが)装置をつくりたい、とおっしゃっていたこと。
 
明和電機社長は、時々、他の2組にないハイパーさでアクセルを踏まれ、おもしろかったです。
Youtubeの画像を紹介するのに、LANケーブルを差し忘れていたり。
いきなり、「円空資料館の管理をしているおばあちゃん」の話が出てきたり。(たしかに拡張現実なお話しでした。)
楽器の身体へのフィット性についての話から、自分のフェティッシュ傾向を「うんこいじりをする赤ちゃん」に例えられたり。
 
カタチへのこだわりの流れから、明和電機の製品は弥生系で、かわいいものははにわっぽい。正面性が強く彫刻的でない、対称性へのこだわりがある。と言われました。
・・・ああそうでしょうか、でもなぜでしょう・・・。
 
*****
相変わらず、当方、とりとめなくなりうまくまとめることができません;
勉強になり楽しいイベントでした。
関係者のみなさま、ありがとうございました。
世界が拡がるー。
 
 おーぎゅめんてっど・りありてぃ。恋はーAR−。
・・・どうしよう歌えるようになってしまった。
http://www.skipcity.jp/channel/mus/mus_22b12a_640x360.html
 
*******
トークショーを体調不良で欠席されたoff-Nibroll矢内原美邦さんが、岸田國士戯曲賞を受賞されたそうです! レベルの高い戯曲を書かれる方なら構成力が抜きんでていらっしゃいますよねぇ。(追記:3月6日)