篠田守男個展トークイベント@パンタグラフ

日曜日のトークイベント。天気がよければ屋上でやりたい、というのが篠田先生のご希望だったようですが、生憎の不安定な天気。パンタグラフの日頃は撮影や制作に使われているのであろう室内で行われました。
 
対談者3方のためにアルコール飲料が用意され。参加者も呑んでいいですよとのこと、遠慮なく手を挙げ甕入りの焼酎をいただきました。
 
篠田先生はお話し好きでいらしてトーク内容をまとめるのは難しいです。以下、誤りや超意訳してしまった箇所があるかもしれませんが、どうかご容赦ください。
UST配信された部分はアーカイブになっています。必見!
http://www.ustream.tv/recorded/25131211#utm_campaign=t.co&utm_source=25131211&utm_medium=social
 
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シノモリ先生のお話
 
枕に数字の符合の話。「1」と「3」の数字がまつわるときに何か重大なできごとあるのだそうです。
 
個展を企画し主催されているパンタグラフさんと基金協力者へ大変感謝してらっしゃって。 そして、それをまっすぐ仰らず、映画「まぁだだよ」に感動したことや、コラボ作業の素晴らしさについて触れられ表現されました(*^^*)。
トークイベント進行役で今回の企画に尽力されている江口さんについて「こじゅうと」なんて仰っていました。
 
作家デビューは1955年。お役所勤めをしていたころ。
*公式サイトプロフィール: http://www.morioshinoda.jp/profile.html
 
英米文学部出身。卒論はチョーサーの「カンタベリー物語」。
国内に英語ができるアーティストがほとんどいなかったころ、外国からの来賓の対談相手として呼ばれることがあったそう。
滋賀県立近代美術館ティンゲリーと対談したときのエピソードなど。
 
「ボクはイデオロギーはなくテクノロジーだけ」と何回かご主張されていました。
「今回の個展のための準備をした4か月は夢のようで。自分のテクノロジーを自分で確かめた。」と。
 
最近のテクノロジーは人の為になっていないことへのご不満をお持ちのようでした。
 
小中のとき覚えて役に立ったという長いしりとり格言?「牡丹に唐獅子、竹に虎。・・・・」を諳んじられました。
(どうやら『江戸文字鎖』 というものらしいです:
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E6%96%87%E6%B2%BB
 こちらに全文あり:
 http://www.kawara-ban.com/warabeutaNO30.html
 
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社長談(箇条):

  • 筑波大学の入学オリエンテーリングで「総合造形」専攻があることを知り、デザイン希望からそちらへ変わった。
  • 篠田先生の家へ遊びに行き、真鍮の浮かぶ足の作品を見た。それまで絵でしか知らなかった情念の世界の表現と、父親の工場で見ていた精密な作業による理性的なものつくり、その2つが形として在る。のを見た。
  • 篠田先生から受けた影響は2つ。ひとつはアルミ制作の技術。もうひとつは情念を理性で作品のなかどうシンプルにするか。
  • 篠田先生がはじめたパフォーマンスの授業は、明和電機の出発点であり原点。
  • 氏の作品からはいろんなものを学ぶ。自分がリアリティを感じるのは、最近のスマフォのような技術よりも、前の時代のテクノロジー
  • 氏へは、父親へ感じていたのと共通する「あこがれ」と「うさんくささ」を感じる。戦後の何もない状況からのユートピア志向のロマン。機械技術への憧れと信頼。 

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クワクボさん談(箇条):

  • 栃木県出身で、県立美術館に先生の作品があったことを入学してから気づいた。現在そこで展示中で、設営の時その作品に光を当ててみました。(こちらですね: http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/collection/detail/0063.html )
  • 筑波大では洋画から総合造形へ。
  • 蕎麦屋での先生の話がダイナミックだった。概念の定義を教えるのではなく、機能:ファンクションを起こすという考え方。その考え方でデバイスアートをつくった。
  • 先生の通った後は「シルクロード」(葉巻煙草)の匂いで分かった。 

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先生から社長へのいくつもの名言がありました。

  • 「もっとちゃんとパクれ」・・・社長卒業制作などの機構についてなどの話題からー。
  • 「土佐くんはイデオロギーだけ」「誉めて言ってる」・・・明和電機の活動に関して?
  • 「知ってるよ、つぶやき読んでるよ!」・・・ロボットレストランの話題などで。
  • 「つぶすの賛成!」・・・社長が4年のとき1年ではいってきたクワクボさんが生意気なので有名で。という意外な話題から。
  • 「土佐くんはこんなコじゃなかった、一言もしゃべらなかった」・・・社長が「こじゅうとの「こ」はコラボの「Co」ですね」とうまいこと言ってしまった時の反応。
  • 「このコは一体。」・・・社長が大学新歓バスツアーガイドをしたときの想い出話で。

 
先生からクワクボさんへの名言

  • 「知っているよ!」・・・・今ぼくは光と影を使った作品をつくっているのですが、というフリを受けて。
  • 「それをほめられたのははじめて♪」・・・個展作品への感想:ネジの多さに魅かれました、を受けて。
  • 「わざとやっている!」・・・個展感想:滑車が一個外れていました気づきましたよ、を受けて。
  • 「日本語を使え。」・・・個展感想:作品を見ているとみぞおちがもぞもぞとする、を受けて。

 
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 先輩も大先輩も関係ない。師を否定し乗り越えて行け。とおっしゃる篠田氏の先導で、とても楽しいトークでした。
 
イベント中の社長の表情が、ときどきなんだか初めて拝見する雰囲気で。ちょっと、どきどきw
 
 過去のエピソードを残したい。
 作品は見てもらえば十分。
と、篠田氏自らが個展の作品について語ることはほとんどありませんでした・・・。
 
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豪華な対談でした。 最後に立ち上がって社長とクワクボさんを従えて一礼し「一度、コンダクターみたいに挨拶したかったの。」ってシノモリ先生。たまらなくかわいらしかったです。
 
個展作品の感想等については、ちょっと日をおいてから改めて記そうと思います(できればー)。