アンドロイド演劇/アフタートーク

22日の舞台終演後、平田オリザ氏と明和電機社長とのトークイベントがありました。
対談15分、観客からの質問15分くらい。
それを含め舞台をつらつら思い返しながら、所感をメモ。
 
末娘アンドロイドは、若干性格が悪いように設定されていました。
空気が読めない爆弾発言を絶妙のタイミングでしたり、唐突な話をはじめたり。
彼女の思考は、実は生きてひきこもっている三女の思考とリンクしている。
彼女の振る舞いは、システムの不完全性や基盤故障からもたらされているのではなく。
確固とした信念の元に行われている可能性が高いと判断されます・・・。
 
彼女のうしろにひかえる、生きている三女の仕草や表情は、まるでアンドロイドのそれを真似ているよう。
アンドロイドのほうが、発言も存在感もリアル。
人間が演じる彼女のほうが、幽霊みたい・・・・。
 
一方、お手伝いロボットのムラオカ。
旧式だけれど、父親が気に入っていたからと今でも使われています。
このコは、従順で、働き者で、わきまえていて、天使のよう。実にかわいらしい。
 
ロボットをどうリアルに使うか。オリザさんの意図が分かり、楽しい。
 
この舞台を成り立たせるため。
ロボットやアンドロイドの動きはあらかじめ打ちこまれているそうです。しかも、平田さん自らが。
コンマ秒で設定された彼らの演技に、役者が合わせる。高度に配慮された無駄を含む動きも配慮され、決められて、そのとおりに。
 
平田さんが演出する際の確固とした信念は有名ですし、今回の観劇前にいくつかインタビュー記事を漁って読みました。
(俳優に役の「内面」は求めない。ナマであることが重要で、人が演じてもロボットが演じても構わない。一回性なんてのは幻想。全てのタイミングを精密に決定し演出している。など)
どうしてそこにそこまで強く固執されているのかは、まだよく分かりませんでした。
けれど、その固執があり、それが体現され、それによって舞台が完成度高く成り立っているのは、わかります。
 
ただ表層が、大事。
平田オリザさんの舞台と、相性よいかも自分。
 
ロボットやアンドロイドは、動かなくなる事故がある割合で発生してしまうそう。
一昨夜の舞台でも、アンドロイドが動かなくなった場面があったらしいです。
そういうときのために「バックアップ台本」があり、事故の際にはそちらへ移行することになっているとのこと。
今回は、さらに役者さんがアドリブでつなげたらしい。
(そして、それがうまく観客にウケて、平田さんはすこし悔しかったらしい!)
青年団の舞台でアドリブって、想像するとすごくレアなのでは。
貴重な回を観ました・・・(でも、どこがアドリブだったのか、実際のホンではどうなっていたのか、解りません!)。
 
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舞台上で、半分は自立して動いていたという、ロボット:Robovie-R Ver.3。
かわいいです。表情のある大きな眼。素敵なぺパミント・グリーンとホワイトのツートン。
一台欲しいです。
と思ったら、楽天で売られていました。
http://item.rakuten.co.jp/robotshop/robovie-r3/