マティスの「ジャズ」と

一昨日は、ブリジストン美術館コレクション展「色を見る、色を楽しむ。」へ行ってきました。
 
ここは良質な小品がたくさんあって。
来るたびにうれしく幸せになってしまえる場所です。
 
今回のコレクション展の目玉は、マティスの「ジャズ」。
切り絵をステンシルで再現した、ビビッドな作品群。
 
それから、今年4月に亡くなったザオ・ウーキー氏の追悼の展示が一室。
氏が若いころのクレーに影響を受けたという画も、複数掲げられ、それらもよかったです。
 
「ジャズ」が展示してある部屋と、ザオ・ウーキー氏の部屋が隣接していて。
立ち去りがたく、両室を行ったり来たりしました。
 
そのうち、なんだか幸せな気持ちに悲しい気分が混じってきました。
 
 これらの他人の創作物である作品の美しさについて、わたしは確信をもって見ているけれど。
 その理由や、その美しさそのものを、わたしはずっと(あらゆる手段で)表現できないでしょう。
 本来言葉で個別に/具体的に語るべきである作業自体、確信をもって放棄を続けるでしょう。
 
 だいたい。自分が感じた「美しい」「好き」を毅然と言葉で表現できるなら。
 あるいは、そうしたい/それを目指したい、意志や意図があるなら。
 意味の中心から遠く離れ勝手にぐるぐる似たような軌跡をめぐっているだけの文章を毎日書き連ねるなんてことはたぶんしないのでした。
 
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悲しくなったので、同じく八重洲にある南インド料理の名店、ダバ・インディアでランチを食べました。
(幸せな気分上乗せ。)
 
近くに福島県の物産を扱うお店があったので(2009年にできたそう)、日本酒や、あれこれ買い物して帰りました