明和電機ジャーナル vol.3

年末に、首を長くして待っていた「明和電機ジャーナル vol.3  特集:明和電機20周年ライブのできるまで」(ライブ宣伝ビジュアル用写真をカラープリントしたクリアファイルのおまけ付)が届きました。
(夫の実家に帰省していたので、手にすることができたのは年始、つくばへもどってきてからでした。)
 
今回も、写真いっぱい、文字情報いっぱい。充実の16ページ。タイトルどおり、明和電機20周年ライブ「できるまで」の情報がぎっしりです。
・・・スケッチ台本、各種ライブ設計プラン、準備段階の作業、リハーサルの様子。
こうやってライブがつくられたんだ、と、わくわく拝読しました。
 
読んで浮かび上がるのは、明和電機ライブの特殊性。常とは異なる様。他とは全くちがうさまです。
 
以下、印象的だった部分について思ったことなどを、すこし。
 
*****

  • 製品の整備にかかる時間と手間

『機械にとって動くことは破壊に向かうことである』
『ビジュアルを重視するあまり、構造的に弱い』
そんな明和電機製品をステージに上げ実際に動かすまでの整備作業というのは、想像しきれません。
『一日一台としても、整備には一カ月かかる』
 
ステージ上で(『F1レースのように』)演奏する楽器たちは。
社長が生きて、整備している/指示を出している、標ですね。
 
*****

興味深いのが、自動演奏楽器たちの演奏する仕組みです。
MIDIと呼ばれる音楽用の信号をAC100Vに変えることで動いている』
DTMについての知識はほとんどありませんが。MIDIの使い方がまちがっているような気がしますが。
 
「ROBOT!」公演のためのマシンつくりの成果として、今回のライブに用いる楽器も楽器本体にMIDI-ACインターフェースを収めたとのこと。
ライブに使われたMIDIインターフェースは二つ...。
たぶん、打ちこみデータのかなり(もしかしたらほとんど)を、今回入力し直さなければならなかったはずです。
20年の蓄積はあるけれど。プロクラム作業はリハーサルの前半、ホールで実際に音だししながら完成するしかない。
(そして、経理のヲノさんは本番中もプログラムを続けていたという嘘のような真のはなし。)
(打ちこみのノウハウを持っているのはヲノさんと社長しかいないのですね...。)
 
ライブ前日に社長がtwitterで探していらした旧いWindows PC。セーモンズさんの制御に使うものだったのかしら。
 
*****

以前、この日記にかいたように。20周年ライブではシリンダーリコーダーが活躍しました。
この楽器が安定して演奏するために、密閉する部品を一発で作成できる3Dプリンターが役に立ったようです。
いい音出していました、シリンダーリコーダー。
それ以外にも、3Dプリンターで制作された部品たちが既にあちこちで活躍しているそうです。
 
3Dプリンターで制作、というと、何かいかにもそれっぽい、アナログ手法では作りにくい面妖な形の造形を思い浮かべてしまいがちですが。
実際には、さりげない、シンプルな部品を作るのに役立っているようです。
 
*****
これだけ充実した、ライブの裏側の情報の全容を(...と言っても、表層のごく一部でしょうが...)知ってしまうと。
なんだか、またあの日に戻って。あの会場に戻って。いろんな席から。ステージ上のいろんな場所から。
ライブを観察したいな、鑑賞したいな、なんてことを思ってしまうのでした。
 
*****
2014年。20周年の年は終わってしまったけれど、明和電機は4月始まりの年度制を採用しているらしいので。
記念すべき20周年の年度は3月まで続いている、はず。うふ。
 
今年もまた一年、よろしくお願いいたします。