モーションとエモーション

先週の日曜日は、話題の”動きのカガク展”へ行ってきました。
 
21_21 DESIGN SIGHT
企画展「動きのカガク展」
2015年6月19日(金)- 9月27日(日)
http://www.2121designsight.jp/program/motion_science/
 
楽しい展示でした。
また行きたい。そして、また、売店で散在してしまうと思います(笑)。
 
 老若男女。
 理系の人もそうではない人も。
 アート志向の人もけしてそうではない人も。
存分、楽しめる好企画です。夏休みになったら混むかもしれませんね;
 
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クワクボリョウタさんの『LOST #13』は。
企画メイン的な凝った映像作品の上映に使用されることが多い、大きな部屋での展示です。
(そして、後で思い出しながら気づいたのですが。ほぼ正方形?と思っていたけれども、床が台形の形をした部屋です。)
 
部屋全体にかなりの明るさがあります。
 
はいると全容が見え、暗さにとまどうような感はありません。
照らされるモノたちをかなりよく認識できます。
(かなりトリ目な当方でも
 
もともと部屋の一方向から鑑賞するシリーズですが、そのサイドに椅子が2列に並べられ、「上映」を見るような感覚もあります。
 
部屋の広さ・明るさのためだと思います。
途中で一気に部屋ごと影にのみこまれるような驚きは薄くなっています。
 
一方、投影される影の印象は、部屋の広さを考えると不思議なくらいクリアです。
特に、椅子に対面する壁へ投影される影の世界が、これまでで最高の「奥行き間」。
 
構成は、「10番目の感傷」から続く傾向を踏んでいます。
 
具象的でわかりやすい形状のモノからはいる・・・壁に映る影が景色(車窓から見るような)であることに気づく・・・身近なモノの影の意外性や美しさに気づいていく・・・影の形状の意表をつく展開に目をみはる・・・たどりつくのはターミナル?・・・そして高速で巻き戻される・・・繰り返す・・・
 
配置の妙。
 
これまでの作品ではあまり意識しなかったのですが。
壁と床の面の境を水平地平線として画を展開するため、モノたちのうちのかなりは小さな台に置かれていました。
綿密に計算されていることがわかります。
 
瞬間の切断もない美しさ。
一点からの光源に反射するモノたちが刹那まとう光もきれい・・・。
 
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というわけで。
観察するのも楽しく。
エモーションの干渉にまかせ感傷に浸って鑑賞するのもよく。
 
しかも今回は、一度にかなりの人数で見ることにも耐えられるキャパのある作品です。
現在のところは時間制限もなく、楽な体勢で見たいだけその空間に滞在できます。
 
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クワクボさんの光の作品を体験するとき。
ほかではあまり使わないような脳とココロと神経を使うことに気づいました。
普段は自分の内に無いことになっている、繊細でシャープななにか、どこかを。
 
不思議です...
 

 
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クワクボさん公式サイトから:
http://ryotakuwakubo.com/?p=439