本:ページをめくる

WAHHA GOGO 開発過程において土佐信道さんが描かれた100枚を超えるスケッチが、WEBで公開されています。
http://www.maywadenki.com/sketchbook/category/wahha/
 
これらのスケッチは、解説文付きの本にまとめられ、購入することが可能です。
(イベント会場などで売られています。)
 
わたしは WAHHA GOGO 完成時・アトリ工で行われたスケッチ展開催時はまだファンでありませんでしたが、昨年の渋谷西武画廊での「明和電機VOICE計画宣言展」で、幸運にもこれらの生スケッチを拝見することができました。(これらのスケッチは販売されているので、既売のものは除きます。)
 
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WEBでも展示でも。一枚一枚、線や形を丁寧に鑑賞していくことができます。
しかし、スケッチがずらりと並べられていると。圧倒され目移りしてしまうのでした。当方の問題なのですが。
ディスプレイで順次クリックしながら見ていくことにも、どうやら脳処理が「へたれ」ているようで。
スケッチ全体を通しての認識が、うまくできていなかったことに思い当たりました。
(ハムスターの脳の哀しみ)
 
先月、この本(スケッチ集)を購入し、拝見しているのですが。
紙に印刷され、ページを手でめくっていきながら inputされていく情報は、腑への落ち具合が違いました。
スケッチは描かれた順に並べられていて。
ページをそのまま時系列情報として手に取り、ゆっくりめくっていったり、めくり戻したりしながら、時間経過を意のままに身体的に扱うことができるのです。
このシステム。代替の効きにくい、本こその可能性。
 
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スケッチ類を一枚ずつそれぞれ別々に漫然と見ているだけでは。
当方、これらのスケッチから、どうしてあの複雑で繊細なシステムのマシンを完成させることができるのか、さっぱり理解できていなかったのでした。
 
このスケッチ集をはじめから仕舞まで、日付と解説テキストとともによんでいくと。
WAHHA GOGO が完成するまでの制作のストーリーが、ありありと立ち上がってきます。
イメージとシステムが最終地点にはまり落ち着いていく経過が、説得力を持って頭に流れ込んできます。
 
はずみ車が横向きでイメージの固まった、スケッチ074を開いたときは、おーっ、と感動の声をあげてしまいました。
 
その後の、実際にマシンとして動くまでのスケッチ類にはいると。
「骨展」出品という締切のある期間ぎりぎりのスケジュールで進行していくからでしょうか。
よみ進めながら、手に汗握るどきどき感です(*^^*)。
 

写真を見ながら鉛筆でざっと素描。