オイル断章

エーデルワイスの世界は、白いオイルが根源です。
地上を覆い尽くした白い花が枯れ、地下に生成されたオイル。
 
オイル。つまりそれを石油に類するものとして位置づけられています。
燃料となり。物質の材料となり。
そしてその世界のオイルは夢のようにましろい。
 
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化石燃料、と呼ばれるように、石油は太古の昔に繁栄した生物に由来するという考えが、現在では主流のようです(そうではない学説もある)。
ガソリンも、高分子製品も、あんな化学製品もこんな製品も、みーんな有機物:生きていたもの、からできている。
命だったものたちから。
 
以前、「オイル」という舞台を観ました。
野田マップ。2003年の公演。
 
「オイル」は「老いる」。
日米関係、石油と中東問題、日本に落とされた2つの原爆、歴史に秘められた大虐殺。そして、当時まだあまりに鮮やかだった9.11の衝撃。
互いに関連し、深く社会が絡められている問題のシビアさ。猛る復讐心と悲惨な復讐行為の限りない連鎖。
それらを結びつけ全部見せてしまう、過激な内容の舞台でした。
 
野田秀樹さんが震災後すぐの雑誌「アエラ」の表紙を批判し連載を辞めたと報道されたとき。わたしは不思議でなりませんでした。
わたしは、あの表紙デザインを「あり」だと思いました。あの時点であのように表現する週刊誌が日本に一誌もなかったら、逆におかしい。
あの頃。速やかにまっすぐ怒りと指摘を向けなければいけない大きな問題と相手は、いくらでもあったのに。
舞台「オイル」をつくった野田さんと、アエラ批判の野田さんが、うまく結びつきませんでした。
 
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地震後それほど日が経っていないとき。
明和電機社長が Twitter で、被災地での藻類によるオイル生産のイメージをつぶやかれました。
 
そのイメージの基となっている研究が、筑波大学東北大学、それに仙台市の協力で進められることになったようです。
筑波大学のサイト:
http://www.tsukuba.ac.jp/topics/20110908181530.html
 
あのイメージ。
鉛筆で描かれた鳥瞰風景。おだやかな海辺。
社長のかかれたスケッチとしては珍しい種類のもので、貴重でした。(*^^*)
 

波間に溶けてる貝の歌〜♪ ・・・やり過ぎ感の強いホネガイ貝殻造形。何の必然性でそんな形に進化してしまったのか理解できません。