岩波新書:西洋哲学史(近代から現代へ)

最近、読んだ新書:

西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)

西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)

 
明和電機社長が好きなデカルトから始まります。
原典からの引用も豊富。読みやすく。
つらつらと読み通しました。
一般的な通論とはちがう、著者のカラーが出てる風合い。
気になって、再読。
 
各章のタイトルに目が惹かれます。そして、サブタイトルが凝っています。引用。
 
 第1章  自己の根底へ 無限な神の観念は、有限な<わたし>を超えている
 第2章  近代形而上学 存在するものは、神のうちに存在する
 第3章  経験論の形成 経験にこそ、いっさいの知の基礎がある
 第4章  モナド論の夢 すべての述語は、主語のうちにすでにふくまれている
 第5章  知識への反逆 存在するとは知覚されていることである
 第6章  経験論の臨界 人間とはたんなる知覚の束であるにすぎない
 第7章  言語論の展開 原初、ことばは詩であり音楽であった
 第8章  理性の深淵へ ひとはその思考を拒むことも耐えることもできない
 第9章  自我のゆくえ 私はただ私に対して存在し、しかも私に対して必然的に存在する
 第10章 同一性と差異 生命とは結合と非結合との結合である
 第11章 批判知の起源 かれらは、それを知らないが、それをおこなっている
 第12章 理念的な次元 事物は存在し、できごとは生起して、命題は妥当する
 第13章 生命論の成立 生は夢と行動のあいだにある
 第14章 現象の地平へ 世界を還元することで獲得されるものは、世界それ自体である
 第15章 語りえぬもの その書は、他のいっさいの書物を焼きつくすことだろう
 
・・・(よく理解できていませんが;)素敵。詩です。
 
やはり、カント後が当方苦手。
ヘーデル以降の哲学者についての記述を読むと、いったいこの方たちは何がしたかったのだろう、頭がぐるぐるします。
ぐるぐる。
 
そして、当方の知識欠如ゆえなのですが。
 この本のなかで、著者がなぜ、その哲学者をとりあげ。
 一人の哲学者につきその限定された話題を語るのか。
章立ての流れから、文面から、著者の意図へふと手が届きそうに思うのに。
でも、自分の脳と知識ではうまく位置づけできず、もんもんとします。
もんもん。
 
*****
で。
たくさん気になった記述があったのですが。
コンディヤックという方が気になりました。
コンディヤックさんのお名前は、ほとんど初めて知った気がします。
 
この方は『人間認識起源論』という本を著したことで有名なのだそう。
そのなかで、言語の起源について論じているそう。
 
 ことばはその起源において、文体は詩的なものであり、言語は絵画に近く韻律的なものだった。
 原初の言葉は、叫びであり身振りであり、舞踏であり音楽であり、詩であった。それらいっさいだった。
 
というようなことを述べているのだそうです。
 
本来、言葉は。そのままで高度に「呪術的」であったのかもしれませんね。
ゆかしいです。
 

昨日のらくがき