生物が初めて発した言葉

http://maywa.laff.jp/blog/2010/04/post-4bbe.html
社長の昨日付けブログ記事を手がかりに、「生物が初めて発した言葉」についてすこし考えをめぐらせました(ハム脳なのに)。
 
まず、「生物」と「言葉」について、アバウトでもいいからあらかじめ考察する枠をつくっておかないと、話が発散してしまいそうです。なので、課題にとりかかる前に、その前提から。
明和電機」の傾向を手掛かりに、条件をゆるく括ることを試みます。
 
ここでの「生物」と「言葉」とは:
ヒトを対象としているわけではなく、もっと原始的な生物が念頭にあることを、社長はブログで述べられています。
それでは、対象とする生物をどこまで「原始的」へさかのぼり考えるべきでしょうか。ブログ記事から分かるのは、「言葉を発する」のは音声によってであって、ある程度高度な器官(つまり、発声機構)をもった生物であるということです。そして「明和電機」なのですから、虫など無脊椎動物ではない気がします。脊椎動物、・・・やはり、まず「魚」を思い浮かべるのが自然でしょう。
それでは、「魚」は言葉/声を発するのでしょうか。魚によっては、浮き袋を収縮させて音を出す種類がいるとどこかで読んだことがあります。でも、それらは音声ではなく、「言葉」としては成り立ちにくい気がします。
 
明和電機」の「魚器」を復習:
魚と言えば、明和電機と言えば、「魚器」。それら「魚器」に取りあげられている魚たちは、声を発さずただ沈黙している印象があります。当該「魚器」が楽器であるものについても、然りです。
しかし、唯一、言葉をしゃべる「魚器」がありました。それどころか「対話」する行為そのものがモチーフとなり、他の作品とは全く違う様相を帯びたナンセンスを色濃く立ち上げている「魚器」。つまり、13週目の胎児:サバオです。
舌足らずながら、しゃべり倒している印象があるサバオ。サバオは大きなヒントになりそう。
「言葉を初めて発した生物」は、“魚とサバオの間”に存在していると考えてかまわないのではないでしょうか。
 
ようやくイメージがしやすくなりました。課題に取り組めそうです。
それでは「“サバオ的なものに向かい進化しつつある魚系の生物”が初めて発した言葉」とは、どんな言葉だったのでしょうか。
 
1.社会性重視の言葉:
社長の結論は、「ぎゃああああああああああああああああ (あぶない!くるな!痛い!っ死ぬ!)」ではないか、というものでした。
悲鳴、ってやつですね。なるほど。
この場合、言葉はまず、声を発した個体のためではなく、周りにいる同じ種の仲間のために存在したことになります。
つまり、この言葉を発した生物の種は、群れをつくり社会性がある行動をとる動物であり、一個体の利益よりも集団の利益が先んじていて、集団の利益(あるいは危機回避)のために言葉が生まれた、と考られそうです。
この考え方から、この種が初めて発しそうな言葉を他に考えてみました。
「ぐぇっ」(社長ブログの「ぎゃあああああ(あ省略)」に同じ)
「おいしいもの見っけ。」(群れをエサへ導く。見つけたエサは独り占めしない。)
「不快〜。」
「快感っ!」
「なんかヤな感じ。」(以上、生きるための環境情報を交換)
「Let's go!」(集団的意思・思考の交し合い)
 
2.個のコミュニケーション・ツールとしての言葉:
しかし、魚の仲間でも、群れを成さず、普段は一個体で行動する種もいるはずです。
そういう生物は、純粋に、出会った他者へのコミュニケーション手段として自らの要求から言葉を発し、またその情報を受け取ろうとするでしょう。
孤独な生物が他者に向け、初めて発しそうな言葉なら・・・。
「・・・だれ?」(相手を確認したい一心で。)
「ボクはココにいるよーっ!」(生まれた赤ちゃんが泣くのと同じ原理?)
「好き。愛してる。」(好意)
「あっちへ行け。」「邪魔っ。」(非好意)
 
3.独り言:
初めて発する言葉が、「独り言」ということがあるでしょうか。
自らへの問いかけや単なる気晴らしが「言葉」となって発声されることは多いと思うけれど。最初の発声がそれだった、というのは社長も書かれたように、発声機構を種が入手するまでの進化の面倒さを考慮すると、ありえないかもしれません。
でも、上記1.2.のコミュニケーションのため、着々と発声器官および音声をキャッチする器官を進化させていた生物が。ふと単なるはずみと勢いで、まず独り言を言ってしまった、というのはアリかもしれません。
「痛っ。」
「お腹すいた。」
「さびしー。」
「ねむひ・・・。」
「やば。」
この例は、1.2.でとりあげたのと同意のものも含むことができますね。最初に発した言葉は、偶発的かつ実験的で目的が不明確なうえコミュニケーション不全なものだった。のかも。
 
なんだか結局、発散してしまいました。「枠」の決め方でいろいろな考え方ができそうで;とりあえず今回の考察はここまで。
(わたしは今のところ、上記2.の「・・・だれ?」に一票を入れたいと思っています。)
 
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社長が「考えて、考えて、考え続けると、脳みそがハラペコの飢餓状態になる。そうなると、がっついてモノを作りたくなる。」と先日つぶやいていらっしゃいました(twitter による)。
羨望します。そんな脳と身体。